素材を選ぶとき、わたしはいつもサンプルを取り寄せて、実際に手で触れてから提案します。カタログの写真と実物は、思っているより違います。特に光の当たり方と、触ったときの温度感は、写真では伝わりません。

漆喰の壁:調湿性能と経年変化 ¶
漆喰は石灰を主成分とした左官材料で、塗り方によって仕上がりが大きく変わります。均一に仕上げるより、手の跡が少し残る塗り方のほうが、光の当たり方に表情が出ます。調湿性能が高く、夏は湿気を吸い冬は放出するので、エアコンへの依存を減らしたい空間に向いています。ただし、コストは一般的なクロスの2〜3倍かかります。
無垢材の床:選ぶ樹種と産地 ¶
無垢材の床を選ぶとき、わたしがよく使うのはオークとナラです。硬度があって傷がつきにくく、経年で色が深まります。産地は国産材を優先していて、栃木や岐阜の製材所から直接仕入れることが多いです。輸入材より少し高くなりますが、乾燥の状態が安定していて、施工後の反りが少ない印象があります。
コンクリートをそのまま使う ¶
既存のコンクリート壁をそのまま仕上げ材として使うことがあります。中目黒のコーヒースタンドがその例です。塗り隠すより、素材の地を見せるほうが長く飽きない空間になると感じています。ただし、コンクリートは冬に冷たく感じるので、住宅の場合は使う場所を選びます。
素材の組み合わせで空間の温度が変わる ¶
コンクリートとナラ材を組み合わせると、硬さと柔らかさのバランスが取れます。漆喰と無垢材は、どちらも自然素材なので相性がいい。素材の組み合わせは、色だけでなく「触ったときの温度感」で考えると、居心地のいい空間になりやすいです。
素材のサンプルを見てみたい方は、オンライン相談のときに言ってください。郵送でお送りすることもできます。